楽天株式会社(以下、楽天)が、仮想通貨取引事業者「みんなのビットコイン株式会社」の全株式取得を発表した。楽天は、何れかの事業者を買収すると思っていたが、ちょっと遅いくらいだと思う。
で、この買収の意味・思惑は何だろう?と、それぞれのプレイヤーから見て勝手に想像してみる。
◆楽天の立場
- 今年2月に発表した独自仮想通貨「楽天コイン」の国内流通を早期推進したい。
- 仮想通貨取引所をゼロから立ち上げるより、買収した方がコスト安い&技術者確保などが容易。
- みんなのビットコインの業務改善命令メドがついた→買収リスクを織り込めた。
- 「楽天」ブランドの信用力で、みなし→登録事業者認可が早まると考えた。
- 何かとライバルになるSBIを猛追したい。(SBIは、仮想通貨取引所「SBIバーチャル・カレンシーズ」を開設済み)
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後発ながら、プロモーションによる業界シェア取りに自信あり(楽天カードの例しかり)
- 楽天カード、楽天Edy、楽天ペイなどリアル店舗での決済チャネルが強いので、それらとシナジーさせ、仮想通貨決済促進も考えている。 etc
◆みんなのビットコインの立場
- 業務改善命令を食らい、イメージダウンが著しい。
- 新規口座開設や一部取引も停止され業績不透明(2018年3月期の決算書上でも赤字拡大中)
- 人材流出によるサービス提供維持困難(に、なりつつある?)
- 大手が仮想通貨取引事業に続々参入で、元々身売りを考えていた。 etc
◆仮想通貨取引ユーザの立場
- 「楽天」が仮想通貨事業に参入すれば、新規ユーザ増→取引活発になり、高値掴みで塩漬けのBTC等仮想通貨が売れる”かも”。
- 楽天スーパーポイントの使い道が増え便利になる”かも”。(仮想通貨と交換できる場合)
- 国内他社が取り扱わない通貨を、積極的に採用→円での購入が容易になる”かも”。
- 楽天会員に加入していれば、取引所の口座開設が簡単にできる”かも”。 etc
いずれにせよ、昨今元気がない仮想通貨業界にとっては朗報だと思う。今回の買収が呼び水になり、相場が活性化してほしいと願うばかりだ。
おわり。