「平成30年7月豪雨」で甚大な被害に遭った岡山県倉敷市真備町。先日、こちらでボラ活動させていただいたので、体験談を残しておきたい。
最新のボランティア募集状況を把握
災害ボランティアは、
- 初期:ボランティアセンター(以下、ボラセン)が立ち上がったばかりで、現場は混乱ぎみ
- 中期:少し時間が経ち、ニーズ増&ボランティア受入れ活発化
- 後期:ニーズが減りボラセンも縮小
と、タイミングによって状況が異なるため、まずは最新情報の収集を行い活動できるかどうかを判断する。全国にある「社会福祉協議会」が取りまとめているので、ここを随時チェックするのが良い。
(参考)今回の豪雨災害ボラ募集状況サイトは以下のとおり。
ボランティアセンターまでのアクセス方法を把握
ボランティア活動希望者は、まずは拠点となるボラセンに赴き、そこで登録や活動場所の割当て等された上で作業を行う。(直接現場入りする活動団体もある)
ボラセン場所によっては、鉄道での到達が難しい先もある。よって、足として鉄道やバスなど交通機関利用を考えている場合、以下は把握しておきたい。
- 活動日に交通機関が動いているか(災害時は、交通機関も寸断されていたり代替手段に置き換わっている可能性あり)
- 鉄道利用の場合、最寄り駅からボラセンまでの足が確保されているか?(駅からボラセンまで徒歩で行ける、シャトルバスがある etc)
今回お世話になった真備町は、最寄りの「新倉敷駅」からボラセンまでのシャトルバスがしっかり確保されていた。そのためか、駅からバスを利用する若者ボランティアが非常に多い印象を受けた。交通の便良し悪しが、”体力はあるが車はない”若者ボランティアの行動心理に影響すると思うので、その点で人を確保しやすい環境と感じた。
現地での宿泊先確保(自宅から遠方・日帰りではない場合)
ボランティアは自己完結が原則。現地での宿泊方法を必ず決めておく。今回訪れた真備町は倉敷市内だったので、自分は倉敷駅前のホテルをなんとか予約した。聞くところによると、倉敷市内のホテルはボランティアで満室のところもあるようなので、少し離れた岡山駅周辺での確保も選択肢になる。(岡山駅→新倉敷駅は、在来線約30分、新幹線約10分)
なお、車で現地入り可能な方は、風呂は温浴施設等で済ませ、車中泊するという手もあるが、猛暑の活動を考えると夜はしっかり休みパワーを温存したいので、キツイかなと思う。
また、高速道路を利用する場合、最寄りの都道府県や市町村にて「災害派遣等従事車両証明書」を交付してもらい、高速道路出口で証明書を提出することで高速代が無料になるのでぜひ利用したい。(復興状況で有効期間や区間など変わるので、最新情報を確認する)
(参考)岡山県の場合
平成30年7月豪雨に伴う災害ボランティア活動に使用する車両の取扱いについて - 岡山県ホームページ(県民生活交通課)
活動の流れ
- 新倉敷駅(北口)に集合(AM8:30~)
改札にて、ボラセンスタッフがボードをもって立っているので迷わないと思う。マイクロバスで、拠点となるボランティアセンター(中国職業能力開発大学校)に移動。駅からはバスで5分ほど、歩いても20分ほどで行ける距離。車利用なら、山陽自動車道玉島インター下車すぐ。
- 到着後受付
方法は、「当日受付」と「事前ネット申込」の2パターンある。印象的だったのが「事前ネット申込」というやり方で、とても良い試みだと思う。この受付方法であれば、
┗ボランティアしたい方:並んで待つ&記入の手間が省ける。
┗ボラセン:受付担当の負荷削減・予め参加数&被災宅への割当て目安把握できる。
利用者はまだ少ないが、今後主流になればさらなる効率化になると思う。
- 受付順に指定された椅子へ着席。
椅子は5列に並んでおり、ここに座った5名が自動的に当日活動メンバーとなる。過去の災害におけるボラセン受付の反省から出たやり方なのだろうか。無駄がなく理に適ていると感じた。
- リーダー&タイムキーパーを決める
着席しメンバーが決定したら、ボラセンスタッフから「リーダー」と「タイムキーパー」を決めるよう促され、付箋とペンを渡される。(付箋はメンバー名を記入し、サテライトで渡す)
「リーダー」といってもやることは難しくなく、以下のようなことを任される。
┗ボラセンから訪問先カルテを取得し、ご依頼主に架電&内容と必要道具をお聞きする
┗メンバーに作業内容等を伝え、ボラセンに置かれている道具を揃える
┗活動中、メンバーが体調不良などあればボラセンに電話
┗活動後、ご依頼主に「作業終了」か「継続」かをお聞きし、ボラセンに報告
「タイムキーパー」は、活動時間と休憩時間の合図をする係。猛暑の作業になるため、体調管理は非常に重要。1サイクル最大20分活動→最低10分休憩が基本だが、もっと小まめに休憩をとっても構わない。リーダーと相談しながら臨機応変に対応する。
- オリエンテーションを受ける
まず今回の災害犠牲者に黙とうを捧げる。その後、ボラセンスタッフから注意事項をいくつか受ける。とくに念押しされるのが”水分補給”の重要性。猛暑の作業となるため、最低2リットルの水分(500Ⅿペット×4本)持参を求められる。万が一持参してない場合はボラセンから支給はあるが、これも寄付で成り立っているので、できれば自身で事前準備したいところ。水分にはケガ時の消毒用途等を考慮し、ミネラルウォーターが混ざっているとGood。
- サテライトへ向け出発
ボラセンから被災地は少し距離がある。大型バスで「サテライト」と呼ばれる現地拠点へ移動、約20分ほどかかる。なお、乗車バスと行き先サテライトは、受付時に着席した時点で決まっている。ボラセンで無駄な調整時間を省くアイデアとして良い。
- サテライトで訪問先割当て&道具準備
カルテをもとに、リーダーがご依頼主に確認し道具を揃え出発。訪問先がサテライトから近場なら徒歩、離れていれば車があるボランティアが送迎。
- 訪問先で活動
今回のお宅は、室内のドロだしや不要物の運び出しがメインの作業だった。建物基礎は損傷が少なくリフォーム前提での作業と思われた。実際にお話を伺うと、建物2階まで浸かったが水は床下から徐々に上がる状況であった模様。町全体でも建物自体が破壊されたところは少なく感じた。(堤防決壊箇所付近は、かなりやられていたが・・)
- 訪問先撤収とサテライトへ帰還
猛暑ということもあり、ボラセンからは13時頃メドに作業終了指示が出ている。
- サテライトで道具片づけ・小休憩
リーダーは当日の報告を行う。メンバーは、道具や長靴などを簡易的に水洗いしたり水分補給を行いバスを待つ。サテライトスタッフから、うちわや飲み物、氷のうなど差し入れがある。本当にありがたい。
- ボラセンに戻りチーム解散
ボラセンに戻ると、高圧洗浄機で長靴洗い&うがいを行い、朝のオリエンテーション場所で帰り支度を行う。真備町のボラセンは(中国職業能力開発大学校)の体育館を使用しエアコン完備、シャワー室や更衣室もあり、これまでボラ活動をしてきた中で最も充実した環境に感じた。また、ボラセンスタッフからの労いが厚く、濡れたおしぼりまで出てきた時には驚いた。
- ボラセン→新倉敷駅送迎、帰宅
ボラセンから「新倉敷駅」まで送迎バスが出る。駅まで戻り岐路に着く。
真備町ボランティアの流れ(2018年8月1日時点)は以上のとおりだが、今後の活動範囲やニーズにより体制は随時変わる可能性がある。ついては、最新情報は「倉敷市災害ボランティアセンター」にて確認がおススメ。
以上